餃子の歴史とは?日本での歴史を中心にフードマニア編集部が解説

本場・中国では1400年以上前から食べられていた形跡もあるほど、歴史の長い料理・餃子。一体いつから日本で食べられるようになったのでしょうか?

ここでは中華料理に関する本を出版しているフードマニア編集部が、餃子の由来を解説していきます!

餃子が誕生したのは今から1400年以上前

画像素材:写真AC

餃子の由来については諸説ありますが、『満州の伝説と民謡』という本によると、餃子の始まりは中国の東北部に位置する満州(現在の中国東北3省)とのこと。餃子の原材料となる小麦の産地が北方かつ、満州の主食が小麦粉だったこともあり、有力な説の一つとなっています。

また、中国の北西部にある敦煌(とんこう)市では、唐時代の墳墓から餃子の化石が発見。このことから、遅くても唐王朝時代(飛鳥時代初期~平安時代中期前後)には餃子が食べられていたとされています。

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ちなみにここで見つかっている餃子は、「ヒダがあって2つに折られている」、「半円形である」、「尖っている」という特徴も。そのため、唐王朝時代の餃子は、現在とほぼ同じ料理だったと考えられています。

時代が下ると、書物にも餃子が登場するように。その中でも最古とされているのが、清王朝時代に発刊された『随園食単(ずいえんしょくたん)』という料理書です。ただし、この本では餃子は「肉餃」と記載されていて、いつ頃から「餃子」と呼ぶようになったかは定かではありません。

餃子が伝来したのは江戸時代。戦後は焼き餃子が大人気に

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日本に餃子が伝来したのは、江戸時代に入ってから。水戸藩が残した『朱舜水氏談綺(しゅしゅんすいしだんき)』によると、1689年、「福包(ふくつつみ)」という鴨肉の餃子が徳川光圀(水戸黄門)に献上されたとしています。

江戸時代にはすでに伝来していた餃子でしたが、当時は鶏や牛などの肉食が禁止されていたこともあり、庶民の間では普及しませんでした。また、肉食が解禁された明治時代以降も餃子はあまり目立たず、中華料理を紹介する本でも蒸し餃子や水餃子がわずかに紹介されるだけでした。

知る人ぞ知る中華料理だった餃子でしたが、第二次世界大戦以降、満州で生活していた人々が日本に移住したことを機に状況は一転。全国各地で餃子を再現する家庭や、餃子を取り扱うお店が増え、少しずつ日本に定着していきます。

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中でも爆発的な人気を誇ったのは、中国ではあまりポピュラーではなかった焼き餃子。日本の主食であるお米やお酒にも合うという理由から、油を使う焼き餃子が強く好まれました。

その後、さまざまなアレンジが効き、栄養のバランスもいいということで、餃子の人気は確固たるものに。1972年には冷凍の餃子が販売されるようになるなど、家庭料理・外食ともに定番の中華料理になりました。

1400年以上前に餃子が誕生。日本で普及したのは戦後以降

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今から1400年以上前には既に存在していた餃子。江戸時代から戦前まではあまりポピュラーではない料理でしたが、戦後を境にどんどん食べられるようになっていきます。中でも日本では、ご飯に合う味付けが好まれていたこともあり、油を使う焼き餃子が大人気に。冷凍餃子や餃子専門店も登場し、定番の中華料理になりました。

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※「「食」の雑学達人になる本」に掲載した内容を再編集しています