分子ガストロノミーとは?フードテック教授がわかりやすく解説!
「肉は最初に表面を焼くとうま味を閉じ込められる」など、よく耳にする調理法。「それって本当に正しいの?」と思ったことはありませんか?そんな料理に関するアレコレを科学的に解明してくれる、分子ガストロノミーという研究分野があるんです。
この記事では、フードテック教授が分子ガストロノミーについて解説していきます。
分子ガストロノミーとは?
分子ガストロノミーとは、従来の調理法を科学的に解析し見直すために創設された研究分野のこと。
1988年に物理学者のエルヴェ・ティスとニコラス・クルティによって立ち上げられたところから始まった、比較的新しい研究分野なんです。
それ以来、食材や調理の研究、新しい調理方法や保存方法の開発などが行われています。
分子ガストロノミーと聞くと、液体窒素を使うなど、科学的な方法を用いた料理を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。
しかし本来の分子ガストロノミーとは研究分野のことで、研究者たちは上記のような料理を「分子クッキング」と呼び、研究分野とは区別しているんですよ。
ちなみに冒頭の「肉は表面を最初に焼いてうま味を閉じ込める」という広く知れわたった調理法は、なんと実験により否定されているんです。分子ガストロノミーは、こういった料理にまつわる迷信を科学的に解き明かしてくれるのですね。
分子ガストロノミーの取り組みとは?
しかし分子ガストロノミーの取り組みは、単に料理の迷信を解明してくれるだけではないのです。
最近では食糧危機がよく話題に上りますが、分子ガストロノミーは私たちをそのような危機から救ってくれるかもしれません。
例えば、廃棄されてしまう食材や未利用食材から食品カートリッジを作り、3Dプリンターで出力して料理を作るという技術の研究が進んでいます。
さらに分子ガストロノミーを創設したエルヴェ・ティスは、「単音調理法」という方法を編み出しました。食材から抽出した、あるいは化学的に合成した「分子化合物」を組み合わせて料理を作るという調理法です。
この単音調理法を用い、食材から抽出した成分を分子化合物の状態で保存したり輸送できれば、理論的には腐ることがないうえ、軽量化により輸送にかかるコストやエネルギーを削減できるんですよ。
分子ガストロノミーとは料理を科学的に分析する研究分野のこと!
分子ガストロノミーとは、食材の性質や調理方法などを分子レベルで研究する研究分野のこと。現在では食糧危機の解決の糸口としても注目を集めているんですよ。
「単音調理法」のような新しい形の料理が身近になる日は近いかもしれません!
※画像はイメージです。
プロフィール
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食とテクノロジーの融合、すなわちフードテック……。テクノロジーによって、食はいま驚くような変化を遂げている……。天才科学者の私が、食に関する知られざる最新情報を語っていこう……。
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