駅弁の歴史とは?その由来をフードマニア編集部が解説

新幹線や鉄道の移動に欠かせないものと言ったら、各駅で販売されている駅弁ではないでしょうか。今ではバリエーション豊かですが、実はこの駅弁、登場した当初はとてもシンプルなものでした。

ここではさまざまなジャンルでグルメに関する本を出版しているフードマニア編集部が、駅弁の歴史を解説していきます!

明治18年、宇都宮駅にて駅弁が初登場!?

画像素材:写真AC

駅弁の始まりは諸説ありますが、明治18年7月、宇都宮と上野間が開通したのをきっかけに、地元の旅館『白木屋』が鉄道内で食べられるお弁当を開発したのがきっかけというのが有力です。

その中身はというと、ゴマをまぶした梅干入りのおにぎりとたくあんが2つずつ、それを竹の皮で包んだ控えめなもの。値段は5銭に設定されており、かけそばが1杯1銭だったことを考えると気軽に購入できる価格ではありませんでした。

明治22年、姫路駅で販売されたものをきっかけに駅弁はより豪華に!時代に合わせて販売スタイルも変化

画像素材:写真AC

明治22年、駅弁は一気に豪華になるのですが、その先駆け的と言われているのが、兵庫県の食品会社が姫路駅で販売した「折り詰め弁当(幕の内弁当)」です。ごはんとおかずを別々の器に入れ、卵焼きやかまぼこ、魚料理などの総菜を隙間なく並べたこちらの駅弁はあっという間に大人気に!その豪華さから1個12銭というかなりの高級品でしたが、利用客から高い支持を集め、今の駅弁の原型になりました。

また、月日が流れるにつれその販売スタイルも大きく変化。明治から昭和の戦後にかけては、駅ホームに移動式の販売ワゴンや肩から駅弁の入った箱を吊るして移動する駅弁売りなどがいましたが、現在ではそういった光景はかなり珍しくなっています。

画像素材:写真AC

こういった販売スタイルがなくなった理由としては、駅付近や構内にコンビニエンスストアなどができ、乗車前に弁当を購入することができるようになったから。または鉄道が発展したことで各駅の停車時間が短くなり、駅弁を買う時間が無くなったというのも理由でしょう。

明治初期、初めて作られた駅弁はとてもシンプルだった!折り詰め弁当の登場で今のような駅弁に

栃木県で生まれたとされている駅弁。はじめはとても素朴で、今のように様々なアレンジなどがされていませんでした。しかし、その4年後に登場した折り詰め弁当により駅弁事情は一転。販売スタイルなども変化させつつ、今に至っているのです。

※画像はイメージです
※「「食」の雑学達人になる本」に掲載した内容を再編集しています