カルパッチョとは?その歴史を併せてフードマニア編集部が徹底解説
地域やお店によってさまざまなアレンジが加えられているカルパッチョ。今やほとんどが魚介類で作られているカルパッチョですが、もともとは生肉を味わう料理でした。
この記事では、イタリア料理に関する本を出版しているフードマニア編集部が、カルパッチョやその歴史を解説していきます!
そもそもカルパッチョとは?
カルパッチョとは、生の魚介類や牛肉を薄くスライスし、その上からチーズやオリーブオイルなどをかけた料理です。主に前菜として提供されることが多く、白ワインとの相性も抜群。
もともとはお肉を使う料理でしたが、日本では白身魚などの魚介類を用いたカルパッチョが高い人気を集めました。
家庭料理としてのカルパッチョも魚介を使うことが多く、日本最大級のレシピサイトに登録されているものの内、約9割が魚や貝を用いていたものです。次いで多いのは野菜を中心としたレシピで、生肉を使ったカルパッチョは珍しい傾向にあります。
カルパッチョの歴史をご紹介
カルパッチョは1950年、イタリアの料理人、ジュゼッペ・チプリアーニ氏によって考案されました。当時、お店の常連客で療養中だった女性が、「加熱調理していない肉料理が食べられないか」と相談したところ、薄切りにした生の牛ヒレ肉に、マヨネーズベースのソースをかけた料理が考案されました。
牛肉のあっさりとした風味と、レモンの酸味が効いた濃厚なマヨネーズの相性は抜群。その後、チプリアーニ氏は、当時絵画展をおこなっていたルネサンス期の画家、ヴィットーレ・カルパッチョ氏の作風と、自身が考案した料理が、ともに赤と白を基調としているところに類似性を感じ、この料理を「カルパッチョ」と命名しました。
人名にちなんで名付けられたこともあり、最初は「牛肉のカルパッチョ風」と呼ばれていましたが、時代が流れるにつれ、「牛肉のカルパッチョ チプリアーニ風」と呼ばれるようになりました。
そんなカルパッチョが日本にやってきたのは、1980年代のこと。当時イタリアで修業していた料理人たちが帰国したことをきっかけに、日本でも普及していきます。
はじめは牛肉で作られていたカルパッチョでしたが、生の素材を薄く切った料理として「刺身」が定着していたこともあり、牛肉よりも白身魚などの魚介類を中心としたカルパッチョが好まれる傾向にありました。その結果、独自の変化を遂げ、日本ならではのカルパッチョとして確立したのです。
カルパッチョは1950年に生まれたイタリア料理!もともとは牛肉で作られていた
1950年にヴェネツィアで生まれたカルパッチョ。当初は魚ではなく、薄く切られた牛ヒレ肉を用いて作る料理でした。その後、日本でも高い注目を集めたカルパッチョでしたが、刺身が定着していたこともあり、牛肉ではなく白身魚を使ったものが主流に。日本ならではのアレンジが加えられ、今では専門店ができるほど、私たちの食文化に定着するようになりました。
※画像はイメージです
※「カルパッチョ!カルパッチョ!」に掲載した内容を再編集しています
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