茶の木とはどういう植物?カフェマニアが解説

茶の木は植物学上、ツバキ科ツバキ属の常緑樹で、学名はカメリア・シネンシスといいます。一般的なお茶の木を指しますが、どういった特徴があるのでしょうか?

ここではカフェや紅茶に関する本を多く出版してきたカフェマニア編集部がチャノキについて解説。紅茶について詳しくなりたい人におすすめ!

茶の木とは?

画像素材:写真AC

茶の木は、植物学上、温帯気候系の中国種と、熱帯気候系のアッサム種の2種類に大別できます。中国種はタンニンの含有量が少なく、どちらかというと緑茶向き。一方、アッサム種はタンニンが多く紅茶に向いていて、インド、スリランカ、アフリカなど熱帯・亜熱帯の広い地域で栽培されています。

茶の木の寿命は長く、50年が経済的な寿命と言われていますが、中には100年を越えるものも少なくありません。中国には茶樹王と言われる、約800年も経つ茶の木が現存しています。

拡がる茶の木の生産国

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茶の発祥の地は中国で、紅茶もそこから発達していったものです。茶を栽培するには高温・多湿で雨量が多いモンスーン気候である必要があります。そして、赤道と北回帰線の間の、いわゆるティーベルト地帯で良質のものが生産されていますが、現在、紅茶の生産国をみると、スリランカやインドばかりか、インドネシア、マレーシア、ネパール、アフリカ諸国など各国に拡がっています。

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まず、生産量第1位を誇るインドを見てみましょう。イギリス人の指導によって生産が始められたものですが、良質の茶葉が採れ、生産地もダージリン、アッサム、ニルギリ、カチャール、ドアーズ、テライ、コーチンといろいろ。

生産量第2位はスリランカ。セイロン紅茶として、日本でもっとも馴染みの深い紅茶生産国です。もともとはコーヒーを栽培していたのですが、赤さび病などで壊滅し、その代わりとして茶樹の栽培を行なうように。今や東南部から南西部の山岳地帯に茶園が拡がり、一年中どこかで茶が採れます。生産地は、世界三大銘茶の一つ、ウバをはじめ、古都キャンディ周辺、ヌワラエリヤ、ディンブラ・ディコヤ、マスケリヤなど。

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アフリカも今や生産量世界第3位を誇るケニアをはじめ、マラウイ、タンザニア、ジンバブエ、南アフリカ、ウガンダ、モザンビークなどで生産されています。

茶の木は世界中に広がっている!

他にはキーモンティーやラプサン・スーチョンを生産する中国、さらにトルコ、インドネシア、ロシアなどが産地として挙げられます。かつて日本も国産紅茶がありましたが、今では静岡県などで一部栽培・生産しているだけ。とはいえ、緑茶も同じ茶の木から作られるので、国内で紅茶を作ろうと思えば作ることは可能なのです。

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※「THE BOOK OF TEA」に掲載した内容を再編集しています