冷やし中華の季節は“夏”だけじゃない!実は“冬”でもうまいって知ってた?吉祥寺『冷やし中華専門店 ひやちゅう』

気温が30度を超えると冷やし中華が売れやすくなる…そんなデータがありますが、気温30度以下では売上が下がるのも冷やし中華。キンキンに冷やした氷水で麺をしめるというのはまさに夏の風物詩。アイスは冬でも食べるのに…なぜ我々は冬に冷やし中華を食べないのでしょうか?

実は冬に食べてもおいしいじゃない!ということで、今回は冷やし麺マニアの冷やし麺’s ナンノが冬に食べる冷やし中華の魅力を解説しながら『冷やし中華専門店 ひやちゅう』さんをご紹介!

真冬の冷やし中華だっておいしい!

イタリアンひやちゅう(2021年夏限定)

アイスチョコモナカは冬になっても売上が落ちないということで有名ですが、冷やし中華は8月の時点で気温が下がると売上も同時に下がるという……アイスよりも旬が短い商品。最近のラーメン屋は夏季限定のメニューとして、冷やしラーメンなど少しこだわったものを出す反面、古きよき中華料理屋さんでしか見ることがない冷やし中華。

そんな冷やし中華に新生の星が現れました。その名も冷やし中華専門店『ひやちゅう』。確認する限り、日本で唯一の冷やし中華専門店だそう。こんな個性的な発想を持つオーナーさんは個人経営のカフェの立ち上げを担当するなど、ラーメンとは無縁の人生でした。もともとハワイが好きでハワイで飲食店の開店を目指していた時に思いついたのが「冷やし中華専門店」。

この店では冷やし中華を「ひやちゅう」と呼び、一般の冷やし中華とは一線を画すメニュー。とはいえ、すべてのメニューが冷やし中華!冬は一体どうするんだ!?と思ったら、温かいメニューはなく、冬でも余裕で冷やし中華を出すんですよ。

元々赤坂で営業しており、開業は2月だったのですが、2月が最も売上が高かったとのこと!そう……この「ひやちゅう」は冬に食べてもおいしいんです。

ひやちゅうの冷やし中華は冷やし中華であって冷やし中華ではない!

アジアンひやちゅう(2021年夏限定)

なぜ冬でも冷やし中華がおいしく感じるのか?冬に食べたら心底冷えそうなイメージですが……一口食べたら納得。まず、一般の冷やし中華と違うのは「混ぜて提供する」ということ。店側がベストな混ぜ具合で提供してくれるので、よりソースの味をダイレクトに楽しめるというのが大きな違い。1番人気はブラックビネガー、2番目はニラを使ったグリーンソースとのことで、定番のゴマダレなどがないという点も独特!

一般的に細麺が多い冷やし中華ですが、ここの麺のイメージは喜多方ラーメンのように中太麺。よって、冷やし中華でもモチモチ食感が楽しめるのです。茹で時間は3分30秒と少し長め。時間を短くすると食感が生っぽくなるとのことで、少しだけ芯が残る程度がひやちゅうにはちょうど良いとのこと。

実は「ひやちゅう」はニューヨークの逆輸入だった

レモンわさびひやちゅう(2021年秋限定)

実はひやちゅうをオープンする前に、オーナーさんはニューヨークで夏季限定で一ヶ月間だけ冷やし中華専門店をオープンして、客の反応を見ていたそう。週替りでメニューを変更して、どれがアメリカのお客にウケるかをチェック。ちなみに、4つほどメニューがあったのですが、その中で一番人気だったのがこの「レモンわさびひやちゅう」。

もはや外見に冷やし中華の面影はありませんが……見た目もクールなら中身もまたクール!タレは生搾りレモン、練りわさび、白醤油、カツオだし、黒胡椒などを配合し、ピリっとした食べごたえに。さらにピュアオリーブをタレと混ぜています。これはエグさのないピュアオリーブのほうがわざび風味と相性が良いとのこと。和と中華のフュージョンは新しいもの好きのニューヨーカーにはぴったりの麺だったのです。日本でも販売することがあるので、もしメニューにあったらトライしてみてください!

冬に食べる冷やし中華で新しい麺の楽しみ方に目覚めてほしい!

ひやちゅうスタイルの冷やし中華なら冬でもおいしく食べられるということを証明してくれました。もちろん、寒い夜に屋台で食べるアツアツのラーメンとはまた違った方向ですが、暖かい部屋で口の中を少しだけクールにさせるひやちゅうは夏の雰囲気に少しだけ浸ることができてまた格別!

現在は吉祥寺駅から徒歩10分程度の位置にある地中海料理屋「ダ・メオ・パタカ」さんで間借り営業しています。営業は昼のみですが、夜でもひやちゅうのメニューが数品置いてもあります。他にもキャビアをのせた高級ひやちゅうや期間限定メニューも多いので、何度訪れても新しい発見があるハズ!

冷やし中華専門店 ひやちゅう

住所 東京都武蔵野市吉祥寺本町3-10-2 エスカイヤ吉祥寺 1F ダ・メオ・パタカ内
営業時間 11:30~15:00
定休日 月曜日
  ※記載のデータは取材時のものです。