駄菓子の“新時代”の幕開け!?チロルチョコマニアが「チロルフェス」潜入してみた
「ファンミーティング」というのは、最近はアイドルだけでなく、多くの飲食ブランドでも見られますが…「駄菓子」だけのイベントというのは聞いたことがない。そう…500種以上もの種類を販売してきた「チロルチョコ」が、この度「フェス」を開くというのです。チロルチョコマニアとしては、それを聞いちゃ黙ってられない!早速潜入してみました。
しかし、「チロルチョコ」だけをテーマにフェスをやるってどういうこと?全くもって謎だらけのイベントですが…参加してみたら、チロルチョコの「領域展開」に引きずり込まれ、まさに新時代の駄菓子の楽しみ方が分かるというものでした!
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チロルチョコによるチロルチョコ好きのための祭典
そもそも今回開催された「チロルフェス」は、チロルチョコ株式会社自らが10月15日と16日に開催したイベントのこと。合計で3回に分けて行われ、1回の開催で40人前後しか参加できないものの、SNSで事前に募集したら…なんと抽選になるほどに応募多数!
いや、そもそも企業イベントなんでしょ?そんなもの別に「割と普通のこと」なんじゃない?…と思うかもしれませんが、その企画内容が、
・開発中新商品のプレゼン対決!
・チロルチョコを収納できる貼箱のワークショップ!コーナー
・イベント公式グッズの販売!
・過去商品やグッズなどの展示!
…なんと、新商品を発売前に食べることができ、しかも、自らの意思で気に入ったチロルの味とデザインを「投票できる」という、ちょっとだけ「制作側」に回れるというのが強み。そして、意外にも公式グッズも割と可愛い…というのも、チロルらしさでもあります。
チロルチョコに熱い思いがあるスタッフが開催するだけあって、チロルチョコが大好きなヘビーユーザーにはたまらない内容に。ここでは当日のフェスの様子を大まかではあるもののレポートしてみました!
フェス開始!そもそもどんな人が参加するの?
チロルチョコマニアとしては、実は以前から「気になる点」がありました。それは、果たしてこのフェスに参加するのは「どういった人物」なのか…という点。いや、そもそも駄菓子は割とみんな大好きですが、駄菓子のイベントに参加するほどの熱狂的なファンには会ったことがない。つまり、年代も属性も全く分からないのです。
そもそも元祖チロルチョコである「ミルクヌガー」から数えれば、既に販売から60年も経っているブランド。1990年代からコンビニで販売が始まったものの、イベントに来る世代はどのような世代なのか?
開場前に参加者を眺めていたのですが…
比率としては女性が多めでした!
そして、驚くことに皆さん、割とカジュアルに「チロルチョコ」を取り入れているのです。参加者はチロルチョコ型の指輪やペンなどの小物を身につけるのは当たり前、中にはチロルチョコのデザインを服やかばんに取り入れて自作するという熱狂的なファンも。まるで「チロルチョコ」をテーマにしたファッションショーともいうべき光景がここにはありました…。ファンの服装や小物などを見て、ファン同士がワイワイと盛り上がるというのもフェスの醍醐味ですね!
開発中新商品のプレゼン対決!新商品の試食体験
フェスとはいうものの、お客はいくつかのテーブルに分かれてそれぞれ交流しつつ、親睦を深めるというタイプのイベント。自己紹介タイムで仲良くなったら、お次は新商品のプレゼン対決。
今回は開発中の「アップルパイ味」のデザイン案と味がそれぞれ2パターン用意され、それを担当した開発スタッフが自らの熱い思いを語るというもの。そのまま語るのはつまらないので、2名のデザイン担当、2名の味担当同士の「プロレス的」な熱い“口撃”が繰り広げられました…。あまりにもライバル心むき出しなので、来週から社内が気まずくなりそうな感じもしますが、この「職場内での熱い戦い」がライブ感で伝わるというのもフェスの魅力。
そして、最後はそれぞれのテーブルでどちらの案が良かったか投票となり、一旦は勝敗が決まります。ここでの勝敗や、参加者による個人投票によって、新商品が作られるかもしれないということで、「自分も開発に参加している」というのも楽しみ。もしかしたら、自分好みの商品が発売決定されるかと思うと、ワクワクが止まらないですよね!
ファンだけにコメントも「一般の方向けには…」という、かなり販売側の視点になっているのもポイント。
「チロルチョコを収納できる貼箱」のワークショップは、意外と熱い!
お次は、チロルチョコ好きにはたまらない工作コーナー。今回コラボした加藤紙器製作所さんは公式Twitterアカウントでいろいろなチロルチョコ専用の貼箱を作って配信していたことがきっかけでコラボのオファーをしたとのこと!世界で唯一のオリジナル「チロルチョコの専用貼箱」を参加者全員でその場で作るというもの。
そもそも
チロルチョコに「箱」の必要性はどこにあるんだろう…
という疑問は置いておいて、実際に手にとってみると、そのサイズといい、箱に入れた時の「ミニチュア感」といい、これは本当に可愛い!まさにチロルチョコを入れる箱はこれしかない!という気持ちになるから不思議。テーブルには、チロルチョコのロゴやデザインが入ったステッカーが何種類も置いてあるので、自分オリジナルの貼箱が作ることができるというのも嬉しいですね。
過去商品やグッズなどの展示コーナーは、ファンには胸アツ
ちなみに、展示品には、過去に販売されたチロルチョコのパンフレットや限定グッズなど、昔からのファンなら「あ、これあったなぁ…」と思い出に浸れる場も用意してくれています。そして、絶対にお目にかかれないのが工場で使用したモールド(工場でチョコを型取りする時に使用する容器)。ちなみに、こちらはイベント公式グッズを5000円以上購入すると手に入るという、ファンからしたら垂涎もの!
特に冬限定の「冬のバラエティパック」の抽選で当たるスノードームは、会場のファンはテンションが上がるポイント。昨年の「冬のバラエティパック」のパッケージにスノードームを用いたところ、ファンイベントで実物を求める声が寄せられたことを受けたのをきっかけに実際にスノードームを作ったのです。ファン思いの会社ならではのプレゼント企画ですね!
ただ「食べる」だけじゃない!これからの駄菓子は「繋がる」という楽しみ方だってある
昨今は企業自らさまざまなイベントを開催することが多いですが…これは「新商品発表会」とか、そういう無粋なイベントではなく、チロルチョコを介して「会社とファン同士」がどんどん繋がっていくという新たなる魅力を感じられるイベントでした。
どこか文化祭的なノリではあり、割と参加の敷居は低く、サークル的なのですが…どこかでゆる〜く自分の好きな商品の会社の運営に「間接的」に関わっていくという不思議な繋がりが感じられて、ファンなら大大大満足できるのではないでしょうか?
モニタリングやSNSなどを通じてファンの反応を知るというイベントは数多く見てみてきたものの、むしろ会社とファンという垣根を「フェス」という形で越えて、「ウィー・アー・ザ・ワールド」を歌っているような不思議な一体感まで得ることができるという…なんとも言えない感動に会場が包まれてました。
そして、イベント参加後には、ますます「チロルチョコ」に惚れ込むという…。これからの駄菓子は「食べる」だけじゃない!会社と繋がってこそのファン。ということで、これぞ駄菓子の新時代の楽しみ方なのかもしれませんね。