もりそばとざるそばの違いとは?歴史を踏まえてフードマニア編集部が解説

お蕎麦屋さんの定番メニューと言っても過言ではない「もりそば」と「ざるそば」。一見するとほとんど同じメニューなので、どうして値段が違うのだろうと思った人もいるのではないでしょうか。

ここではさまざまなジャンルでグルメに関する本を出版しているフードマニア編集部が、歴史を交えながらもりそばとざるそばの違いを徹底解説していきます!

「もり」と「ざる」の違いは海苔の有無だけじゃない!

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もりそばとざるそばの違いとして、代表的なものだと海苔の有無があげられます。一般的に海苔がかけられているものが「ざるそば」、かけられていないほうが「もりそば」として販売されています。

また、両者の違いはつけ汁にも。もりそばのつけ汁が出汁にかえし(醤油に日本酒や砂糖などを加え、長時間寝かせた調味料)を加えるというシンプルなものに対し、ざるそばのつけ汁はこれにみりんなどを加えています。こうすることで、さらにコクが深まり、風味も増すのです。

さらに、お店によっては使っているお蕎麦自体が違う所も。傾向としては、より上質なそば粉や、麺が太めのお蕎麦をざるそばに用いることが多いようです。

もりそばとざるそば、それぞれの歴史を解説

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もりそばとざるそばが誕生したのは、江戸時代に入ってから。最初にもりそばが登場し、江戸の町にそばブームを巻き起こします。その後、器に入ったままだと最後の方は水っぽいというお客の不満を解消するべく、水が切れる「ざる」にのせられたざるそばが登場しました。

明治時代に入ると、ざるそばに海苔をのせるように。一説によると、ざるそばを販売する他店との差別化を図って乗せられたといわれていますが、経緯については定かではありません。

また、同時期にはざるそばにのみワサビが添えられ、量ももりそばより多くのせられていました。

もりそばとざるそばの違いはつけ汁にも!中には麺自体が違うお店も

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もりそばとざるそばの違いは、一般的に海苔の有無・つけ汁・麺の太さや質にあります。いずれにしても、ざるそばの方がより手間が加えられている傾向にあるので、ぜひ食べ比べてみてはいかがでしょうか。

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※「「食」の雑学達人になる本」に掲載した内容を再編集しています