貴腐ワインとはどんなもの？ワインざんまいがわかりやすく解説

世界最高峰の甘口ワインの一つ「貴腐ワイン」。まるで腐敗したかのように見える、「貴腐ブドウ」から造られる特別なワインで、コース料理などでは主に食後のデザートワインとして飲まれます。

この記事ではワインざんまいが貴腐ワインの特徴や製造方法、美味しい飲み方などについて解説していきます。ぜひワイン選びの参考にしてみてくださいね。

そもそも貴腐ワインとは？

貴腐ワインとは、ブドウの実に貴腐菌をまとわせて造る極甘口のデザートワインのこと。ブドウの品種自体は辛口ワインのものと変わりませんが、この貴腐菌が付着することで水分が抜け、ブドウのエキスが凝縮。糖度が増して世界最高峰の甘口のワインへと仕上がるのです。

貴腐ワインの製造の難しさはまさにその貴腐菌を付着させる難しさにあります。通常、貴腐菌は霧のような湿度の高い環境に晒された後、乾燥した環境に置かなければなりません。それを繰り返すことでやっと貴腐菌が定着するのですが、これがただ湿度の高い場所にあるだけでは灰色カビになってブドウをダメにしてしまうこともあります。

気候に左右されてしまうため、その年によっては貴腐ブドウが上手く育たないということも珍しくありません。だからこそ貴腐ワインは希少性が高く、高価なワインとされているのです。

世界三大貴腐ワインとは

限られた環境下でしか造ることができない貴腐ワイン。その中でもとりわけ「世界三大貴腐ワイン」として知られているのが、フランス・ボルドー地方で造られる「ソーテルヌ」、ドイツの「トロッケンベーレンアウスレーゼ」、ハンガリーの「トカイワイン」です。

ひと口に貴腐ワインと言っても産地によって風味は異なります。「ソーテルヌ」は深い甘さと芳香を放つのが特徴であるのに対して、「トロッケンベーレンアウスレーゼ」は華やかな香りとさわやかな酸味が特徴。一方の「トカイワイン」はアプリコットなどのフルーティーな香りを感じさせる貴腐ワインです。

貴腐ワインの美味しい飲み方

貴腐ワインを飲むならぜひとも気にしてほしいのがその温度。ジュースがぬるくなってしまったら甘さがだれて美味しさが半減してしまうのと同様に、貴腐ワインもよく冷えている状態の方が甘さが際立って美味しく感じることができます。

とろりとした上品な甘さと芳醇な香りが特徴の貴腐ワイン。チーズやフォアグラのような濃厚で塩味の強い食材はもちろんのこと、さわやかなフルーツ、スイーツと食べるのにも向いています。

貴腐ワインとはブドウに貴腐菌をまとわせて造る極甘口ワインのこと