1980年代の静岡の遊び心溢れる喫茶店メニューを見てみよう！

1980年代、喫茶店は客を呼ぶためにコーヒーだけでなく、さまざまなメニューを開発していました。特に80年代の静岡は、郊外に喫茶店が多く進出し、若者を取り込むための「遊び」のあるメニューがたくさん登場！

もちろん、今でも現役の定番メニューはたくさんあるのですが、どこかレトロで個性的なメニューもたくさんあったのです！ここでは昭和59年（1984年）に旭屋出版から刊行された「喫茶＆スナック11月号」を見ながら、過去の喫茶店の世界を巡ってみましょう。

1980年代、静岡の喫茶店は若者向けの遊び溢れるメニューを開発していた！

フードマニアを運営する旭屋出版は50年以上の歴史を誇る老舗出版社。飲食業界向けの雑誌を多く作っており、1980年代には喫茶店やスナックの専門誌「喫茶＆スナック」を制作していました。今回は昭和59年（1984年）に発売された11月号を見てみましょう。

記事によると、当時の静岡は郊外へ喫茶店の新規出店が続いたそう。車社会であったために、若者をどれだけ呼べるか…そのためには定番の喫茶店メニューだけでなく、かなり「遊び心」のあるものが多かったとか。それでは、そんな遊び心のある斬新なメニューを覗いてみましょう。

こんな食べ方があったか！他には見られないオリジナルメニュー

クレープのように見えますが、実はお好み焼き！その名も「お好み焼・田舎」という商品名でたくあんを入れて焼くことで「田舎」感を出した模様。確かにどこか素朴で懐かしい雰囲気…。むしろ、お好み焼きというよりも「創作粉もの」といったほうが良いかもですが。

鳥の巣をヒントに開発したという一品。ポテトの細切りにひき肉やミニバーグをのせ、デミグラスソースを入れたものに、最後に卵をのせて焼くと完成！確かに鳥の巣のように見える個性派メニューでもあります。

食べ応え十分！ボリューミーなご飯メニュー

「オムレツ風ピラフ」。なるほど、この発想はなかった！よくオムライス＋カレーで「オムカレー」はあるものの、さらにオムライスのライスがケチャップライスではなく、ピラフになっているという贅沢な内容。つまり、オムレツ＋カレー＋ピラフを楽しめるようになっているのです。

なんとカレーの上に、エビフライとメロン、オレンジを使って「絶海の孤島」を思わせるデコレーションを施したもの。名前も「ファッションカレー」ということで、カレーも美しい具材を合わせてのせることで「おしゃれ」に見えるということでしょうか？内容としてはエビフライカレーではあるのですが…。

この「洋風おじや」は注文してから5分以内に提供できるというスピードメニューで、コンソメスープにたまねぎとキャベツを加えてご飯と一緒に煮ることでコクが出たとのこと。おじやも洋風の食材を使えば、リゾットのように見えますね！

これは楽しい！思わず注文したくなるパンメニュー

丸型のパンにホワイトソースとエビを入れてグラタンにしたもの。ホワイトソースの中にはスパゲティも入っていて、割とボリュームがあったよう。今でも同じような発想のパングラタンをたまに見かけますが、この時代にはすでに確立されていた様子。

喫茶店といえば、モーニングのトーストというのは定番ですが、ここは他のお店との差異が出しづらいところ。そこでパンの上に抹茶とパウダーシュガーをのせてみたのが「抹茶トースト」。今でこそ抹茶は定番ですが、当時はかなり斬新なメニューだったのでしょう。

これは注文したくなってしまうかも…魅惑のスイーツ

「アメリカンパラダイス」という名前がつけられただけに、まさにUSA！リンゴで作ったタワーはニューヨークの摩天楼？そして、星条旗がのっているだけで「アメリカン」な感じが全面に出るのだからすごい。「見ても食べてもパラダイス！」という意味だけに、USAの雰囲気を醸し出しています。

まるで「舟盛り」のようにフルーツとクリームがもられたのが「スペシャルパフェ」。この圧倒的なボリュームは男性向けかと思いきや、甘いもの大好きな女性客に好評だったようで、ここまで尖ると逆に女子ウケするという不思議な現象が発生したもの。

ワインクリームの上にバニラアイスをのせてアーモンドで「うさぎ」さんを再現した「ラブリーセット」。確かにラブリー！しかし、チェリー・ブランデーをかけているので味わいは大人向け。ちょっぴり大人な雰囲気がするのに子供向けの形状のアイスクリームは女性客に好評だった様子。

80年代の静岡の喫茶店メニューは今見るとすごく面白い！

喫茶店が全盛期の時代ならではアイデアがあふれるメニューがたくさんありましたね！紹介したのはあくまで遊び心のあるメニューだけをピックアップしたのですが、基本的には現在でも食べられるメニューもたくさんあります。斬新なアイデアの商品が多いので、おうちで自分で作って食べてみるというのも面白いですね！

※こちらで紹介している料理の写真、料金、セット内容は掲載当時のものです。現在では取り扱っていませんのでご了承ください。