プラントベースミルク×インバウンド対策
来るべき本格的なインバウンド回復に向け食の多様性や食のバリアフリーをキーワードに取り組む必要がある。
ポストコロナのインバウンド復活に備える
日本政府観光局によると、訪日外国人の数はコロナ禍前までは順調に増加しており、東京オリンピック・パラリンピック2020開催に向けて、ベジタリアンやヴィーガン、ハラール対応など、食の多様性への対応も準備がすすめられていた。ところが2019年以降、新型コロナウィルス感染症の拡大により、2021年の訪日外国人旅行者数は、コロナ以前の2019年比で99.2%減。さらに2020年比でも94.0%減と、著しく減少した(*1)。やむなく休業や大幅な営業縮小に追い込まれた店も少なくない。このような厳しい状況ながらも新型コロナウイルスの感染拡大がようやく落ち着きつつある今、今後のインバウンド回復が期待されている。こうした流れに乗り遅れないよう、早めにインバウンド客の需要に備えておく必要がある。
プラントベースで食のバリアフリーをサポート
飲食店におけるインバウンド対応のひとつとして、よく言われるのが、食の多様性への対応である。世界
には様々な嗜好や文化的、宗教的背景を持つ人々がいて、ひとくちに多様性への対応といっても、あまりにも多岐にわたるため、どこから取りかかればよいかわからない、という声も多い。

確かに、ハラール、ヴィーガン、アレルギー(*2)など、個別に対応するとなると、別に食材を用意したり、新しいオペレーションが必要になるなど、対応が大変である。
ここは発想を変え、食べられないもの、禁止されているものではなく、共通して食べられるものにフォーカスをすると、シンプルでわかりやすくなる。そして、これらの共通項となるのがプラントベースを軸とした食事である。これをベースにして、それぞれに可能な対応をプラスしていくと取り組みやすくなる。
例えば、日本においても従来からなじみのある豆乳などに加えて、オーツミルクやアーモンドミルクといった新顔プラントベースミルクを導入することも一案。ドリンクはもちろん、料理やスイーツまで応用範囲が広いプラントベースミルクは、食の多様性を可能にし、さまざまな価値観や条件を持つ人が一緒に同じ食事を楽しめる「食のバリアフリー」を支えるための心強い食材のひとつになる。
インバウンド客の多様なニーズに対応する
観光庁が発表している 「訪日外国人消費動向調査」によると、来日するインバウンド観光客は「食」を楽しみにしている人が多く、この傾向は今後も続くと思われる。一方、日本で食事をするうえで、「メニューが多言語対応されていない」「異文化や宗教への配慮に欠ける」などで、訪日客が困ったというケースも報告されている。
多言語メニューに関しては、各自治体が「多言語メニュー作成ツール」を無料提供している場合も多い。そうしたサービスを活用するのも一手。また「異文化や宗教への配慮」については、観光庁からも「多様な食文化・食習慣を有する外国人客への対応マニュアル」が公開されているので、参考にするとよい。
*2: 大豆、小麦、ナッツ類など、プラントベース食品にもアレルギーの原因になる食品があるので注意が必要。


欧米では、環境への意識も高く、プラントベースミルクをはじめ、プラントベースフードが日常的な選択肢になっており、生活に溶け込んでいる。写真は米国(右)、ドイツ(左)のプラントベース食品売り場。プラントベースミルクの他にも植物性由来のミートやチーズなど多種多様な商品が売られており、売場は年々拡大しているという。
参考資料:プラントベースミルクメニューBOOK
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