餃子の消費量日本一の都市とは
餃子の消費量を競い、宇都宮が日本一になったり、浜松が巻き返したり、また宮崎がリードしたり…。毎年話題になる「餃子日本一の町」。それとは別に「日本一餃子の好きな町」をうたっている町があります。それは、静岡県裾野市です。同じ静岡県内の中でも静岡市や浜松市などに比べて今一つ知名度の低い裾野市でしたが、今餃子を中心に盛り上がりを見せ始めています。
町おこしのある研究で判明した事実とは?

町おこしのために2002年に行われた市のグループが中心となって行った研究で、市内にある飲食店全50店舗を調査したところ、32店舗で餃子を出していることがわかりました。1万人当たりに換算した餃子取扱い飲食店数では、何と6.04店にもなります。ちなみに餃子日本一の宇都宮市が4.45店、同じ県内の静岡市でも4.23店。裾野がダントツ1位なのです。しかし人口当たりの店数は多いですが、専門店が1軒もないのです。何より、他地域とは「分母」の桁が違いますので「日本一」とは名乗りにくい…。そこで謙虚に「日本一ギョーザの好きな町」としました。
町おこしの核、「すそのギョーザ倶楽部」が発足

地元では市販の皮を購入して、各家庭で餃子をよく作り、よく食べられています。市内のスーパーの惣菜売り場では、餃子の販売量が第1位、冷凍食品販売数でもコロッケとわずかな差で2位です。そこで餃子を町おこしの核として「すそのギョーザ倶楽部」が発足されました。
いつから餃子が食べられているの?
裾野市ではなぜ餃子が食べられているのでしょうか…?実はこれがよく分かっていないのです。地元で調査しても「いつの間にか食べていた」という声がほとんどでした。しかし、しつこく調査を進めると昭和40年代頃からではないか、と分かってきました。裾野市はもともと純農業地帯で、三度の食事は自宅が中心。かつては外食もほとんどされなかったそう。 しかし1960年から企業誘致を行い、大企業の研究所が作られて他地域から人が入ってくると外食も始まりました。また折から新幹線工事に従事するため、沼津や静岡などに出て餃子の美味しさを覚えた人もいた可能性も。高度経済成長時代は生活が豊かになり、食生活にも変化が起きて、同じ県内に餃子の町があったことから「餃子=新時代の食」として裾野市に受け入れられたのではないでしょうか。
■参考資料:「餃子の探求」(旭屋出版)
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