スチコンが引き立てるパティシエの感性【現場レポート】髙木康裕シェフ講習会へ

 

“焼く”を再発見する日


本サイトにて、これまで3回にわたって、「スチコンで焼くお菓子」の魅力をお届けしてきました。

「VOL.1 「スチコン」ってなに?」 

「VOL.2 ジェノワーズ、クッキー、パイで探る“蒸気のちから”」 

「VOL.3 広がる、洋菓子の可能性」 

書籍『洋菓子の新焼成法』(著:髙木康政/旭屋出版)を通して、髙木シェフが湿度や風量を自在に操り“新しい焼成”の世界を広げてきたことを紹介してきましたが、先日その理論を“実際に見て、味わえる”特別な機会がありました。

今回はそのイベントの様子をレポートします。

スチコンのパイオニアであり、髙木シェフが愛用するスチコンメーカーである㈱ラショナル・ジャパン主催の実演イベントに、髙木シェフが登場。

全国各地から集まったパティシエの方々が会場を埋め尽くし、誰もがノートとペンを手に、真剣なまなざしで見つめています。

©旭屋出版 2022年10月5日、㈱ラショナル・ジャパン本社(東京都千代田区)メインキッチンにて、製菓業態向け講習会「エキスパートキッチン」が開催された。

この日の実演はなんと6種類。

シュー生地、ジェノワーズ、クッキー、ピーナッツパイ、林檎パイ、プリン、そしてイチゴジャム。

髙木シェフの真骨頂ともいえるコンビモードをフルに活用した焼成が目の前で繰り広げられ、湿度や風量の設定によって表情を変えていく焼菓子の様子を参加者も見守ります。

スチコンは全面ガラス張りで庫内の様子がしっかり確認できるのも利点ですね。

©旭屋出版

©旭屋出版

試食タイムでは、ふわっと軽いシュー、しっとりと弾むジェノワーズなどが登場。

食感に驚く声もちらほら。実演を見たあとに味わうと、その説得力は倍増です。

また、㈱ラショナル・ジャパンの「iVario Pro」の紹介も行なわれました。煮る、揚げる、圧力調理、真空調理などを一台でこなす多機能調理器で、こちらは同社コーポレートシェフの皆川忠康シェフが、カスタードクリームやあんこを効率よくおいしく作る方法を実演披露しました。

©旭屋出版

イベントの後半では、今年2月に発売された高木シェフの著書「洋菓子の新焼成法」に関して、出版社である旭屋出版の担当者から紹介がありました。

「スチコン焼成を“感覚”ではなく“理論”で語れるようにしたい」

そんな想いから、数えきれないほどの検証を重ねた制作秘話が語られました。

最後の質問タイムには、受講したパティシエたちからとても具体的な質問が飛び交いました。

©旭屋出版

髙木シェフも「スチコンは職人の感覚を広げてくれる道具」と話し、最後まで熱意に満ちた空気で締めくくられました。

この熱量は、きっとこれからのお菓子づくりのヒントになるはずです。


【参考図書】

洋菓子の新焼成法

~スチコンが引き立てる、パティシエの感性~
菓子工房アントレ 髙木康裕 著


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