北九州市の八幡餃子とは

九州北端にあって、門司、小倉、戸畑、八幡、若松とそれぞれに個性ある町として栄えた5都市が、戦後に合併してできた北九州市。中でも八幡は、教科書でも「鉄の町」として紹介されているように明治時代に官営の「八幡製作所」が作られました。戦後は高度成長期を下支えする重合業の中心地として、溶鉱炉の熱気そのままに発展してきた町です。そして「八幡餃子」が生まれた町でもあります。

八幡で餃子が人気を集めた理由

溶鉱炉の仕事は高温化での重労働です。汗を大量にかくうえ、スタミナも必要。それゆえ、仕事帰りににんにくのきいた餃子をつまみにビールを飲んで英気を養う人が多かったといいます。それゆえ、製鉄所の東門の門前町として栄えた中央町には、中国出身の人が店を出し、本格的な餃子が人気を集めていました。当時から地元では餃子の魅力を知る人が多く、それがベースとなって独自の餃子文化が発展したのではないかと思われます。

八幡餃子の特徴

八幡餃子の特徴は全体に小ぶりのものが多く、柚子胡椒で食べるのが特徴ですがそれ以外にも大きく次の4つのジャンル分けできるのが八幡の特徴ともいえます。

①鉄鍋の餃子。文字通り丸い鉄鍋で焼いて出す餃子です。「鉄なべ」の名で昭和33年にJR折尾駅前で開業させた人がルーツと言われています。

②ラーメン店の餃子。こちらの特徴は餃子を加熱する際に水ではなく豚骨スープにいれて焼く点が特徴です。

③家庭風の餃子。元々は男性の工員が食べていた餃子はにんにくがきいていて匂いが強く、女性は食べにくかった。そこで家庭料理風に、にんにくを少なくして女性が食べやすい味に作り上げたものです。

④中国の人が営業してきた、本格中華の小籠包スタイル。餃子は皮が厚めなのが特徴。

八幡餃子の有名店

福龍ラーメン

ママの餃子

ぎょうざ工房風人

参考資料:「餃子の探求」(旭屋出版)

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フードマニア編集部
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