「津ぎょうざ」の特徴とは

学校給食から生まれ、今や地元を代表する名物料理にまでなっているのが三重、津の「津ぎょうざ」です。津ぎょうざが給食の献立に採用されるようになったのは1985年頃。旧津市内の小学校の給食を担当する栄養士たちの間で、「栄養バランスが優れていて満腹感が得られ、食べて思い出に残る料理」として餃子が提案されたのがきっかけ。

手で包むため通常の餃子サイズだと全生徒に出すには1個当たりの仕込みが膨大な数になってしまいます。そこで大きな皮を用いジャンボサイズにして、1人1個で満腹感が得られるようにしました。調理法も効率を考え、焼くよりはフライヤーなどで揚げています。ここにジャンボサイズ(直径15cmの皮を使う)、揚げて火を通すという2つの定義の「津ぎょうざ」が誕生しました。

大好評の津ぎょうざ!

このぎょうざは大好評!女性の拳大もあるジャンボな揚げ餃子はすぐに人気の献立となりました。30年経った現在も「津ぎょうざ」は市内の学校では一学期には一度は出されているほどで、市内で6万人以上の市民に食べられています。ただ、卒業とともに給食に接しなくなれば、「津ぎょうざ」と食べる機会も激変してしまう。一定年齢状になると食べられなくなってしまうという事情から”ご当地食”とはなかなか見なされなかったよう。

2日で400個も売れた津ぎょうざ

上記の状況に変化が起きたのが、2008年秋。「津まつり」で市の町おこしをサポートする市民団体が「津ぎょうざ」と試験発売したところ、期間中の2日間で400個も売れたのです!小学校時代に食べて、中年になった人からは「懐かしい」「ビールのつまみに食べたい」などの声が上がったといいます。この件から津市のPRのため市内400店の飲食店にメニュー化が呼びかけられました。2010年には、飲食店や食品加工会社など事業主が参加する「津ぎょうざ協会」が発足。さらに2014年には協会から分離する形で市内ボランティアが中心になって活動する「津ぎょうざ小学校」が発足。両者の協力により各種イベントへの参加や催し物の実施など、さまざまな角度から「津ぎょうざ」を通した町おこしが行われています。

参考資料:「餃子の探求」(旭屋出版)

プロフィール

フードマニア編集部
フードマニア編集部
こんにちは!こちらでは、知っておくと便利なグルメ知識やおすすめのお店を紹介していきます。
記事一覧はこちら

次の記事

なれずしとはNew!!