ロースとは?牛肉のどの部位のこと?肩ロースの違いなどを焼肉マニアが解説

脂の甘みやジューシーさを味わえるのが「カルビ」で、赤身のおいしさを味わえるのが「ロース」。焼肉屋メニューでロースというと肩ロースやリブロースを指しますが、実はもう少し複雑なんです。

ここでは焼肉に関する本を多く出版してきた焼肉マニア編集部がロースの部位と違いについて解説していきます。焼肉に詳しくなりたい人におすすめ!

ロースの部位は?

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焼肉メニューの「ロース」には、肩ロースやリブロースが使われています。上質な和牛の肩ロースやリブロースを使ったロースは、きれいにサシが入っているものが多い傾向。

また、焼肉メニューの「ロース」には、モモ系の部位も使われてきた歴史があります。

一般のロースと肩ロース、リブロースとの違いは?

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実は消費者庁は、モモ系の部位などを「ロース」と表示することは景品表示法に違反するとしています。小売店と同様に、焼肉店でも「食肉小売品質基準」に定められているロース以外の部位を「ロース」と表示すると、違反にあたるとしています。「食肉小売品質基準」に定められているロースとは、肩ロース、リブロース、サーロインだけ。

焼肉メニューのロースは、「赤身主体の肉」という意味合いで捉えられてきた歴史があるのです。それだけに焼肉店としてはとまどう面もありますが、この点を認識した上で適正に表示する必要があります。「ロース」のメニューにロース以外の部位を使っている場合は、少なくとも使用部位を明示すること(例「この料理にはモモ肉を使用」)が求められるでしょう。

現在のロースのトレンドは?

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1900年代、焼肉店のロースの人気は低迷した印象があります。カルビの人気が高まる一方で、ロースは「パサパサしてあまりおいしくない」というイメージを持たれがちでした。実際、赤身が主体のロースは、焼きすぎるとパサパサした食感になりやすく、少し大袈裟に言えば、これは焼肉店の大きな課題の一つでした。

そうした歴史を振り返りながら、いま評判を集める焼肉店のロースを見ると、非常にレベルアップしています。サシがほどよく入った肉をロースとして商品化し、「カルビほどしつこさがなく、適度にサシの旨さも味わえる」ロースが提供されています。

一般的にロースは肩ロースやリブロースをのことを指す!

最近は、ヘルシー志向もあって赤身肉のニーズが拡大しています。上質な赤身主体の肉を使い、お客が焼すぎないように接客にも力を入れ、ロースの商品力を高めている店も増えました。カルビと同様に、肉のカットや味づくりでもロースの商品力は大きく向上し、お客の支持を集めています。

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※「焼肉メニュー事典」に掲載した内容を再編集しています