アイスワインとはどんなもの?ワインざんまいがわかりやすく解説

貴腐ワインに並び世界最高峰の極甘口ワインとして知られているアイスワイン。同じデザートワインと言えど、貴腐ワインとは風味や香りも異なり、その製造の難しさゆえに高値で取引されているワインでもあります。

この記事ではワインざんまいがアイスワインの特徴や、その美味しい飲み方について解説していきます。

そもそもアイスワインとは?

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極甘口ワインのことをデザートワインと呼びますが、アイスワインもそのうちの一つ。熟したブドウをあえて収穫せず、樹についたままの状態で凍らせ、圧搾して造るワインです。冷たい外気に触れさせることでブドウ内の水分を凍らせ、凍らず甘さが凝縮されたエキスのみを抽出しワインにしています。

1房から取れるエキスの量は極めて少なく、スプーン1杯程度とも。また収穫せずに放置するため、害獣や害鳥に食い荒らされる危険性も高く、それゆえに希少価値の高いワインとして知られています。

アイスワインが生まれたのはドイツ南部に位置するバイエルン州の北部。1974年、ブドウの収穫を終えぬまま予期せぬ寒波に見舞われた農家たちが、このまま捨てるのは勿体ないと凍ったブドウでワインを造ったのがアイスワインの始まりだと言われています。それが今まで飲んだことのないような甘く美味しいワインであったことから、人気が広まり、現在ドイツやカナダ、オーストリアでのみ生産が行われています。

貴腐ワインとの違いは?

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貴腐ワインもアイスワインと同様に極甘口のデザートワインですが、両者の違いはその製法にあります。アイスワインが寒さで凍結させたブドウで造るのに対して、貴腐ワインは貴腐菌と呼ばれる菌をブドウに付着させることで水分を抜き、果実内の糖度を上げることで造られるデザートワインです。貴腐菌がもたらす特有の複雑で深い甘みが特徴で、「貴族のワイン」の別名もあります。

一方アイスワインはブドウ本来の風味が凝縮されているのが特徴です。甘さの中にも酸味があり、すっきりとした風味が魅力。貴腐ワインと並ぶ極甘口のワインで、芳醇な香りが口いっぱいに広がります。

アイスワインの美味しい飲み方

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アイスワインを美味しく飲むためにはその温度管理が大切です。せっかくの極甘口ワインでも、生温いと甘さがダレて台無しに。もしアイスワインを飲むならその数時間前から冷蔵庫で冷やして、よく冷えたものを飲むのがおすすめです。またゴクゴクといっぺんに飲むのではなく、少量を口に含んでその香りや甘さを味わってみましょう。

合わせて食べる料理は、ワインと同じ甘さのあるものか、逆に甘さを引き立たせるような塩分のあるものを選ぶと良いでしょう。とりわけブルーチーズとの相性がいいとされ、濃厚なフォアグラ料理ともよく合います。

アイスワインとは凍結して糖度が増したブドウで造る極甘口ワインのこと!

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ブドウ1房からスプーン1杯程度の量しか造ることができないと言われているアイスワイン。非常に希少価値の高いワインなので、ぜひ特別な日の食事に合わせて飲んでみてはいかがでしょうか。

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