1980年代の喫茶店のサンドイッチはどこかレトロで革命的!「喫茶&スナック1983年4月号」

米食からパン食に移動しつつあった1980年代。喫茶店のサンドイッチは特別なものでなくなり、定番メニューからの路線変更を求められていました。そこで登場したのが革命的なサンドイッチ!

サンドイッチというと喫茶店の定番メニューではありますが、当時の喫茶店には現代にはないレトロでどこかユニークなサンドイッチメニューがたくさんあったのです!ここでは昭和58年(1983年)に旭屋出版から刊行された「喫茶&スナック4月号」を見ながら、過去の喫茶店の世界を巡ってみましょう。

80年代前半、喫茶店ではサンドイッチ革命が発生していた!

当時の特集は「喫茶店の新サンドイッチ」

フードマニアを運営する旭屋出版は50年以上の歴史を誇る老舗出版社。飲食業界向けの雑誌を多く制作しており、1980年代には喫茶店やスナックの専門誌「喫茶&スナック」を制作していました。今回は1983年4月号の記事を見てみましょう!

この時代、パン食人口は増大しており、ハンバーガーなどファストフード店舗もどんどん増加。それにもかかわらず、喫茶店のサンドイッチは昔ながらのオーソドックスのものが多かったよう。しかし、ヘルシー志向や本物志向を求める客も増えてきて、東京の喫茶店では新しいサンドイッチが続々と登場してきました。さらに、器や盛り付けまで新感覚に!そこで喫茶店で起きていたサンドイッチ革命を見ていきましょう。

盛り付けこそ命!おしゃれなサンドイッチ

ワインやビールのおつまみにもイケたそう

テーマは「食べやすさ」と「シンプルさ」ということで、盛り付けも派手さよりもワンポイントのおしゃれが大事だった様子。こちらはポテトチップとクレソンを加えて、カジュアルに。具材もサラダ菜、トマト、キュウリと味付けもスタイリッシュ。

バーベキューのようなサンドイッチ

定番のクラブサンドイッチもブロシェット(串焼き)風にすれば、また雰囲気も変わる!しかも、手も汚れないということで人気が高かったよう。一口サイズで食べごたえがあり、具材はベーコンのエッグトマトやレタスなどの組み合わせだったのでボリュームたっぷり。

サンドイッチも英国ティールーム風にすれば、アフタヌーンティー気分に?

女性客に人気があったのがティールーム風のサンドイッチ。エメンタルチーズとバターで炒めたハムを挟んだトーストも、味がくどくなく、女性に好まれていたようです。野菜サラダの盛りつけもぐっと豪華に!

これは今でも新しい!創作サンドイッチ

サンドイッチと呼べるかは分からないですが、女性客に好評!

ヘルシー×オリジナリティを追求した結果、可愛いポットのようなサンドイッチが完成!ロールパンの生地をくり抜いてヨーグルトとフルーツを盛り付けたたもの。パフェのように少しずつ崩していって食べるという新感覚のサンドイッチでした。

見た目はなかなか個性的ですが、一日に10セットも出た人気商品

時代はとにかくヘルシーを求めた時代。ダイエットを気にする女性客にはサンドイッチは少し重!ということで、考えられたのが「ツナワカメトースト」。果たして和風なのか洋風なのか……どんな味がするのか気になるところ。

牡蠣にはマヨネーズがたっぷり!

普通のサンドイッチじゃ物足りない!そんな人に好評だったのが、おつまみ風サンド。こちらはトーストに辛子バターを塗った後オイスターをのせ、マヨネーズをかけたもの。意外な組み合わせですが、初めて食べる人には独特の美味しさが感じられたらしく、その味わいにびっくりしたそうですよ。

これぞ革命!新感覚のサンドイッチ

丸いパンだからUFOのように見えるかも?

サンドイッチは「四角か三角のもの」という既成概念を見事に破壊したのが、こちらの「UFOサンド」。辛子バターに、ベーコンや綱、ハム、卵、コンビーフといったトッピングから2種類選べるので、自分でカスタマイズできるのがウリ。

ひとつひとつ千切って食べるのが基本らしいです

サンドイッチだからといって、挟むのがすべてではない!こちらは切り込みを入れたトーストに、ミートソースやハッシュドビーフ、卵と3食のトッピングがのったモリモリのメニュー。ボリュームたっぷりなのにもかかわらず、女性客に支持されていたそう。

もはやサンドイッチと呼ばせない!

そして、最後は日本の海苔巻とサンドイッチが見事にコラボした「フラワーサンド」。ローストハム、ツナ、スクランブルエッグ、バナナ、ミカンなど、手巻き寿司風に巻いた楽しいサンドイッチです。巻くのが難しそうですが、つまようじなどを駆使して巻物風にしていたそう。

80年代のサンドイッチメニューは今見るとすごく面白い!

まだ喫茶店が全盛期の時代ならではの個性あふれるメニューがたくさんありましたね!コンビニやファミレスで食べられているサンドイッチも、ひと昔前だと結構違うもの。現在では味わうことはできませんが、斬新なアイデアも多いので、おうちで試してみるのはいかがでしょうか?(ただし、カロリーはすごく高そうなので要注意!)

※こちらで紹介している料理の写真、料金、セット内容は掲載当時のものです。現在では取り扱っていませんのでご了承ください。