丼の歴史とは?その由来をフードマニア編集部が解説

ボリューム満点で手軽に食べられることから、幅広い世代から愛されている丼。ですがこの丼、かつては縁起が悪いと言われていたこともあったんです。

ここでは和食に関する本を出版しているフードマニア編集部が丼の歴史を解説していきます。

江戸時代以前、丼は縁起が悪いものだった!?室町時代には原型の料理も

画像素材:写真AC

丼の原型とされている料理が初めて登場するのは、今から4世紀以上前の室町時代。当時、貴族の間では「芳飯(ほうはん)」という料理が広く普及していました。芳飯とは、器に盛ったご飯の上に、細かくした魚や鶏、野菜などをのせ、その上から汁をかけた料理。現在の丼とはかけ離れていますが、お米とおかずを同時に食べるという形式は現在に通じるものがありますね。

いつごろから言われだしたかは不明ですが、それから江戸時代までの間、丼は枕飯(死者の枕頭に供えるご飯)を連想させて縁起が悪いと言われていました。しかし、洗い物が減る便利さやその美味しさなどから、庶民の間でどんどん普及していきます。

江戸後期以降、本格的な丼がどんどん登場

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現在食べられているような丼が登場したのは、江戸時代の後期だとされています。また、最初に作られた丼に関しては、天丼ではないかとの説が有力。ほぼ同時期にうな丼も登場し、高い支持を集めていきました。

ちなみに、これらの料理に丼という名前が付けられたのもこの頃。由来は諸説ありますが、当時料理を鉢に盛って提供した『慳貪屋(けんどんや)』という店があり、そこで出される「慳貪ぶりの鉢」が「どんぶり」と略された末に、鉢盛の料理全般を丼と呼ぶようになったというのが定説です。

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明治、大正時代になると、牛丼や親子丼、カツ丼などの定番丼料理も誕生。戦後にはビフテキ丼や海鮮丼など、さまざまな工夫が施された丼物が生まれ、国民の心をわしづかみに!丼物というジャンルが確立しました。

丼の原型が登場したのは室町時代。江戸時代までは避けられていたが、後期には広く普及!

丼の歴史をさかのぼると、古くは室町時代から存在していたことが分かります。その後、縁起が悪いという理由から嫌われていた丼でしたが、その手軽さや味から瞬く間に大人気料理へ。江戸後期に発明された天丼やうな丼などをきっかけに、さまざまな丼物が誕生したのです。

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※「「食」の雑学達人になる本」に掲載した内容を再編集しています