1980年代の喫茶店のポテトメニューはレトロだけど斬新！「喫茶＆スナック1982年10月号」

ポテトといえば、おやつからおつまみまで日本人の大好きな食材。80年代の喫茶店では、そんなポテトを使ったメニューがたくさん登場したのです！

ポテトを使った料理というと、フライドポテトやグラタンなど、定番料理のイメージですが、当時の喫茶店には現代にはないレトロでどこかユニークなメニューがたくさんあったのです！ここでは昭和57年（1982年）に旭屋出版から刊行された「喫茶＆スナック10月号」を見ながら、過去の喫茶店の世界を巡ってみましょう。

80年代前半、喫茶店のポテトメニューはよく売れた！

フードマニアを運営する旭屋出版は50年以上の歴史を誇る老舗出版社。飲食業界向けの雑誌を多く制作しており、1980年代には喫茶店やスナックの専門誌「喫茶＆スナック」を制作していました。今回は1982年10月号の記事を見てみましょう！

記事によると、当時の喫茶店のポテトメニューはおやつからおつまみまで、幅広い活躍をしていたそう。そして、石焼き芋に代表される「親しみやすさ」から女性にも馴染みが深く、大人気メニューだったとか。そして、注目なのはその応用力。グラタンやピザ、サラダなどの食事メニューからケーキにまでなるという理想の食材だったのです。ここでは80年代の個性が溢れるポテトメニューについてご紹介してきましょう。

デザートにも応用！当時の最先端ポテト・スイーツ

この「フルーツババロア」は一見すると普通のババロアに見えますが……実は牛乳で裏ごししたじゃがいもを混ぜており、ゼラチン液、サトウ、ミカンとパイナップルを入れて固めたもの。味わいもまさにスイーツだったようで、若い女性客に大人気だった様子。

ウインナーコーヒーからヒントを得たというメニュー。フライドポテトにホイップクリームをかけて食べるというパフェ感覚の人気商品！一応、フライドポテトの上ははちみつを加えた砂糖をまぶしているので、スイーツといえるでしょうか。

輪切りポテトを重ねて焼けば立派なケーキに！じゃがいもの層の間にははホワイトソースやベーコンなども入っているので、じゃがいものミルフィーユといったところ。デミグラスソースをかけて食べるので、おやつでも軽食でもOK！

こういう楽しみ方もあったか！応用の効いたポテトメニュー

「レーズンエッグポテト」はフィリピン風のオムレツからヒントを得て創作したメニュー。ダイス状にしたじゃがいもを野菜と一緒に卵に入れて混ぜて焼き上げるといったもの。今でいえば、フィリピン風というよりもスパニッシュオムレツに近いかもしれませんね。レーズンが入っているので、見た目もヘルシーでおしゃれに！

じゃがいもとバターは最強タッグですが、大ぶりのフライドポテトに梅肉をのせると相性が良かったようで、お酒のおつまみとしても好評だったのです。ちなみに、こちらはバターと梅肉を練り合わせた「梅バター」ではあるので、梅の酸味がバターのコクとマッチしていたそう。

今ではカラオケ店でよく見る、食パン1斤をまるごと使ったスイーツですが、その発想はこの時代からあったようで、女性を中心に人気があった様子。こちらは現代風のハニートーストとは違い、パンをくりぬいて、マッシュとソーセージ、サラミをのせた食べごたえがあるメニューに。

もうポテトとは呼ばせない！変わり種メニュー

日本人が大好きなおかずといえば、今も昔も餃子。じゃがいもを餃子の餡として活用したら意外とヒットしたのが、この「じゃがいも餃子」。ニラのみじん切りとも相性抜群で、揚げ餃子にするとおつまみとしてもイケたようです。

こちらは一見すると普通のミートソース・スパゲッティにみえますが、実はじゃがいもの細切りを麺にしたもの。その名も「ポテトスパゲティー」。じゃがいもは変色しやすいので、よく水にひたして炒めるのがポイントだったとか。しかし、ポテトを麺のように利用するというアイデアは驚くばかり……。

最後はハンバーグ……ではなく、ハンバーグ風のポテトメニュー。マッシュポテトに、コンビーフや玉ねぎを入れて、味付けしています。もちろん、しっかりと焼くのでハンバーグのような食べごたえが味わえるのも強み。男性客、女性客問わず、大人気だったメニュー！

80年代のポテトメニューは今見るとすごく面白い！

まだ喫茶店が全盛期の時代ならではの個性あふれるメニューがたくさんありましたね！今では、ハンバーガーのお供や居酒屋の創作料理として活躍するポテトメニューも、ひと昔前だと結構違うもの。現在では味わうことはできませんが、斬新なアイデアも多いので、おうちで試してみるのはいかがでしょうか？（ただし、カロリーはすごく高そうなので要注意！）

※こちらで紹介している料理の写真、料金、セット内容は掲載当時のものです。現在では取り扱っていませんのでご了承ください。