新たな魅力と可能性が広がる「最新おでん料理」【おでん料理①】

老舗の専門店だけでなく、居酒屋でも看板メニューとして、おでんを提供する店はこれまでもあり、各店でだしや具材にこだわった本格的なおでんを提供しています。アツアツを食べるおいしさ、野菜や肉、練り物など、色々なおでんダネがある楽しさ、それがおでんの魅力です

さらに、近年はおでんだしやおでんダネの新しい味づくりに挑戦した“創作おでん”を提供する店も増えており、おでんの新しいバリエーションが広がっています。

例えば、おでんだしと言えばカツオと昆布のだしが基本ですが、アゴだしやハモだし、ノドグロだし、アサリなどを使った貝だし、鶏だしのおでんを提供する店が以前と比べて定着しています。

また、おでんダネをおでん鍋で温める一般的なおでんに加え、一皿ごとに異なる調理を施す、新しいスタイルのおでんを提供する店が登場しています。肉や魚介など食材自体からだしが出るものをおでん鍋に入れると、おでんだしの味が変化してしまうため、注文ごとに肉や魚介の食材を小鍋でおでんだしと一緒に煮込み、おでんだしをまとわせることで、新しいおでんの一皿に仕上げています。

そうした新たな魅力と可能性が広がる「最新おでん料理」の一部を紹介します。

タマゴの黒トリュフがけ/Lampada

卵とトリュフの相性の良さに着目して、おでんの定番で人気ダネの「玉子」を同店流にアレンジ。半熟玉子に黒トリュフをたっぷりと削りかけて贅沢感をプラス。半熟玉子は白だしベースで下味を付けておき、注文ごとにおでんのだしで温めて提供します。

カマンベールチーズ/おでんと釜飯 ムロ

だしと相性のよいチーズをおでんダネに。カマンベールチーズは火を通すと溶けるため、衣をつけて揚げ、「揚げ出し豆腐」をイメージ。仕上げには大根おろしとワサビ、薬味でさっぱりとさせ、七味でアクセントを。チーズと合う揉み海苔で風味をプラス。

海老まよ特製海老真薯/食卓堂

「エビをおでんにするなら?」と考え、エビ真薯に仕立てた一品。注文ごとにおでん鍋に入れて温めて器に盛り、おでんだしを注ぎ、仕上げに自家製マヨネーズをかけてバーナーで炙り、香ばしさをプラス。エビマヨの新スタイルが好評に。

たらこ/関西煮 理 OSAMU TOKYO

タラコをさっとおでんだしで煮て、パッと花咲くように仕上げた見た目にもきれいな一品。和食で使うタイの子(卵巣)の煮付けをイメージして開発。北海道産の新鮮なタラコを使用し、温めたおでんだしでさっと加熱して半生に仕上げています。プチプチ食感も楽しい華やかなタラコのおでんです。

えびとパクチーのトムヤムクン風/おでん都

夏向けのメニューとして開発したエスニックタイプのおでん。タイ料理のトムヤムクンスープをイメージし、エビとトムヤムクンペーストとおでんだしと一緒に小鍋で温め、個性的な一皿に仕上げています。パクチーと辛さのアクセントに唐辛子を加えて提供。旨辛のおいしさ、スープ感覚で楽しめると女性客に人気の一品。

次回は担当編集者が注目している「肉おでん」について紹介します。


【参考図書】

最新おでん料理 >>> MODERN ODEN

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