冷や麦とそうめんの違いとは?歴史も交えながらフードマニア編集部が解説

夏の時期にぴったりな冷や麦やそうめん。なんとなく同じものなのかな、と思われがちなこの2つですが、実は違いがあることをご存知ですか?

ここではさまざまなジャンルでグルメに関する本を出版しているフードマニア編集部が、歴史を交えながら冷や麦とそうめんの違いを徹底解説していきます!

冷や麦とそうめんの違いは大きく分けて2つ!

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冷や麦とそうめんの1つ目の違いは、麺の太さが異なることです。日本農林規格(JAS)では、いずれも乾燥した状態で“そうめん…長径1.3mm未満(手延べの場合直径1.7mm未満)”、“冷や麦…長径1.3mm以上、1.7mm未満”と設定しています。

また、冷や麦やそうめんが作られたばかりの頃は、こうした太さの規定がなかったため、冷や麦の一部に色を付けて区別していました。現在販売されている冷や麦に、緑やピンクなどの色がついたものが紛れているのはこの名残です。

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2つ目の違いは製麵方法。手延べで冷や麦やそうめんを作る場合、冷や麦はうどんやそばのように、こねて薄く伸ばした生地を切ります。それに対しそうめんは、こねた生地にでんぷんや植物油を加えながら引き延ばし、細くしたものを天日干しにします。しかし、現在は機械で作ることも多いため、こうした製麺方法では区別できなくなってきています。

ちなみに、味に関しては冷や麦の方がわずかに甘いという研究結果も。冷や麦の方が麵も太い分、より小麦粉本来の風味や甘味が強く伝わったと考えられます。

冷や麦とそうめんはどちらも長い歴史を誇る食べ物

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元祖冷や麦ともいえる「切り麦」が初めて登場するのは、室町時代に入ってから。うどんを細く切って作っていたことから、このような名前になったとの説が有力です。この切り麦を冷やして食べることにちなんで、「冷や麦」と呼ぶようになったとか。

そうめんの歴史はさらに古く、奈良時代に中国から伝来した『索餅(さくべい)』が起源という説が一般的。今では気軽に食べられるそうめんですが、当時は特別な日やおもてなしとして出される料理でした。

その後、鎌倉~室町時代に手延べの技術が伝わったことで、現在のような細いそうめんが確立。索餅を麺にしたもの、という意味で「索麺」と呼ばれていましたが、時代が流れるにつれ「そうめん」と言う名前に変化していきました。

冷や麦とそうめんの違いは麺の太さや製麺方法!

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室町時代には既に存在し、調理方法もほぼ現在と同じものだった冷や麦とそうめん。一見すると全く同じ料理に見えますが、実は麺の太さや麺の伸ばし方などが異なっているのです。ぜひ実際に食べ比べてみて、風味の違いを楽しんでみてはいかがでしょうか。

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