なぜ、栃木、群馬に焼きそば専門店が、いまも多いのか。

焼きそば専門店という、焼きそばだけを売る店が、群馬県、栃木県にいまも多くあります。焼きそば好きが多いというわけですが、昭和の20年代後半から30年代にかけて、焼きそば専門店は群馬県、栃木県で増えました。

 

 

 

焼きそばの材料が調達しやすかった地域

群馬県、栃木県は、小麦粉が採れ、キャベツの産地でもあり、焼きそばの材料が調達しやすいことも焼きそば専門店が増えた要因の一つです。

　また、栃木県佐野市は佐野ラーメンを名物にし、栃木県足利市は日本蕎麦を名物にし、群馬県桐生市、舘林市はうどんの街を謳っています。麺を名物にする地域が多いので、焼きそばの店も増大したとも考えられます。

さらに、その謎を解くキーワードは「利根川」。

群馬県、栃木県を流域とする利根川沿いには、ソース工場が多くあります。月星食品、早川食品など、地元に主に販売されるソースを製造しているメーカーの工場もあります。

　それらの、いわゆる地ソースを使っている焼きそば専門店が多くあります。中には、仕様書発注して、店のオリジナルソースを作ってもらい、「店の味」にしているところもあります。

　地域に密着したソースがあることが、焼きそば自体も地域にしっかりと根付かせることにつながったことも確かでしょう。

　栃木県の焼きそば専門店には、客席にソースが常備されている店も多いです。そのソースを食べる前にかけて食べるお客さんも多いです。「焼きそばに、さらにソースをかけて食べたら、味が濃すぎるのではないかと思いますが、たっぷりかけても食べやすいソースが多いのも、栃木のソースの特徴とも言えます。

「全国縦断　名物焼そばの本」(旭屋出版MOOK)より