2月14日は、煮干しの日。その煮干しの基礎知識を解説

煮干しは90℃以上で炊かないで出汁をとるのが、いま、ラーメン店の主流です。

2月14日は、全国煮干協会が1994年に制定した「煮干しの日」です。煮(2) 、1を「ぼ(棒)」と読み、し(4)で、2月14日が「煮干しの日」となりました。 関西でも煮干しラーメンの人気店が増えるなど、煮干し出汁は広がっています。その煮干しの基礎知識を解説します。

片口煮干しとは?  平子煮干しとは?

カタクチイワシの煮干しが、片口煮干しです。片口煮干しには、「背黒」と「白口(シロクチ)」があります。「背黒」は、文字通り、背の部分が黒いカタクチイワシの煮干しで、中サイズ、大サイズのもので、大きいタイプのものほど脂がのり、煮干しっぽさが強い出汁がとれます。

「白口」は、カタクチイワシの背の部分が白いものを呼びます。稚魚の煮干しの「カエリ」」と呼ばれるもの、小サイズ、大サイズに分けられ、「背黒」より上品な出汁がとれます。

 平子煮干しは、マイワシを原料とする煮干しです。片口煮干しと比較すると、甘みのある、ややあっさりした味わいの出汁ながら、魚介感もある出汁がとれるのが特徴です。

ラーメン店では、複数の煮干しを組み合わせる店も

煮干しラーメンを出す店では、スープの特徴を出すため、そして、ラーメンらしい深みのあるスープにするために、1種類ではなく、何種類もの煮干しを組み合わせて使うところもあります。

 煮干しの大きさ、煮干しの種類で出汁の出方が変わるので、寸胴鍋を変えて水に浸けて水出ししたのち、火にかけて出汁をとります。90℃まで上がったら、その温度をキープして、目指す出汁の濃度になるまで炊き、合わせて使います。

 出汁を良く出すために鍋の中をかき混ぜますが、このとき、やさしく混ぜてエグ味を出さないようにする店もあれば、あえて濃厚さを出すために混ぜる店もあります。

イワシ以外の煮干しも、いろいろ

カタクチイワシ、マイワシの煮干しの他に、ウルメイワシの煮干しのウルメ煮干しもあります。

 イワシの他にも、いろいろな煮干しがあります。アジ煮干し、アゴ煮干しはトビウオの煮干し。アゴ煮干しには、焼きアゴ煮干しがあり、焼きアゴ煮干しにも、姿のまま直火で焼き加工したものと、開きにしてから焼き加工するタイプのものがあります。その他、サンマ煮干し、サバ煮干し、のどぐろ煮干し、カキ煮干しもあります。

「最新解説 ラーメンの調理技法」(旭屋出版)より